HOME >  

2020年度 理事長所信

公益社団法人 京都青年会議所
2020年度 理事長所信

和心を以て途を成す

~未来への途を今私たちが創り拡げる~
第69代理事長 足立 五郎

基本方針

  1. 徹底した会員拡大の推進と和心を纏う会員の資質向上
  2. JCI・日本JC・近畿地区(協)・京都ブロック(協)への協力並びに出向者支援
  3. 4 THE SHINING KYOTOに基づいたひとづくり・まちづくり及びこれまでの事業検証並びに総括
  4. 市民、行政並びに各諸団体との協調による幅広い公益社団法人の運営
  5. 新時代に向けた行動指針の策定

~introduction~

「何かを変えようとする時、私たちは何を考え、どう行動すべきだろうか
何かを変えようとした時、基礎ができていなければ目指すべき道へは進まない
目指すべき道に進めなければ、何かを変える意味はあるだろうか
目指すべき道へと進む為に、何かを変える為に
今一度私たちの大切にすべき基礎を見つめなおさなければならない」

<始めに>

 平成の時代が終わり、令和の時代がスタートした2019年は、多くの人々が期待に大きく胸を膨らませ、明るい未来を見据える年となりました。そして、2020年は東京オリンピック・パラリンピックが開催され、ここ数年間に渡り続いてきたインバウンドによる享受もピークを迎えるとともに、産業、医療、様々なジャンルに影響を与え、大きな変化をもたらすといわれている次世代通信規格「5G」の商用サービス開始が予定されており、日本国内が経済、産業の大きな節目となる新たな時代を目の当たりにする年となることでしょう。
日本青年会議所では2019年度、京都会議にて開催された第159回総会においてSDGs推進宣言が採択され、国連が推進する国際的な取り組みを本会としても全面的に推進をしていく決議がなされました。京都市を活動エリアとしている京都青年会議所も、この時代の流れを確りと見極めた上で、歩調を合わせながら、運動、活動を進めていかなければなりません。しかし、その流れに乗るだけではなく、私たちはこれまでに先輩方が取り組み、残されてこられた実績に誇りを持ち、私たちだからこそできることを確りと考え、京都のまちや人に対し、どのような取り組み方が有効なのかを議論して進めて参りましょう。
少し昔に思い描いていた近未来がもう目の前にある、そんな時代の中、技術の進歩に伴い私たちの身の回りのモノは、非常に便利なモノとなり、より効率的に生活ができるようになりました。人と人との繋がりにおいても、文字でやり取りが簡単にできるアプリケーションや、SNSの利用頻度が年々増加し、顔を合わさずしてそれぞれの現状認識ができてしまう世の中になっています。私たちが住み暮らすこの京都においても、大型マンションや、宿泊施設の増加を一因として、お隣同士のご近所付き合い、町内会の地蔵盆といった地域ならではのコミュニケーションが失われつつあるのは明白であり事実です。コミュニティとコミュニケーションが失われつつある事実は、人間関係の希薄化にも影響を及ぼし、京都のみならず、日本の少子高齢化や、その他多くの問題の原因としても考えられます。
だからこそ、行政を始め様々な各諸団体、地域企業、大学生と連携を取りながら、和心を以て覚悟と勇気を携えた上で、京都青年会議所として京都のまちの未来の為にどのような運動、活動を展開していくべきなのかを今一度確りと考え、事業を構築し邁進して参りましょう。

<歴史と伝統>

 京都青年会議所は「新しい日本の再建は私たち青年の仕事である」という強い使命感を携えられた先輩方が「明るい豊かな社会」の実現を目指し、1951年に設立されました。私たちの先輩方は戦後の荒廃した社会で「個人の修練」「社会への奉仕」「世界との友情」の三信条のもと、互いに尊重し合い、時には激しく議論を交わしながら切磋琢磨し、時代の流れを確りと見極め、常に「明るい豊かな社会」の実現を志として運動、活動を展開され、これまでの京都青年会議所の歴史と伝統を築き上げてこられました。
これまで時代とともに京都青年会議所を変化させ続けてこられた先輩方は、多くのことを大切にし、68年間の長きに渡り京都青年会議所を築き、守り、大事に紡ぎながら、繋いでこられました。その歴史が育んだ誇るべき伝統は今もなお、私たちの基礎となり深く根付いています。
人は一人では何を為すこともできません。人と人が関わり合い、関係を築き、議論し、意見を出し合ってこそ京都青年会議所であり、その議論や交流の中にこそ伝統が存在していると考えます。SNSや、文字でのやり取りが簡単にできるアプリケーションはその利便性の高さや、用途の幅広さから多く利用されている一方で、直接会って成される人間関係が希薄になっている今の時代だからこそ、私たちは人と人との関わり合いを今一度それぞれが見つめ直し、改めて大切にして、次の時代へと途を創らなければなりません。

<和心を以て途を成す>

 日常の仕事や青年会議所活動の最中、自分自身でも気が付かないうちに心のない言葉を周りの仲間に投げかけてしまい、傷つけてしまったというような経験はないでしょうか。
また、会員の減少や、新たな組織運営の方法等、目まぐるしく変化する状況の中で、一人ひとりが担わなければならない事柄に押しつぶされそうになりながら、必死になって日々を過ごしてはいないでしょうか。京都青年会議所で活動を続ける中で、様々な問題と向き合わなければなりません。私たちは今こそ新しい時代に見合う組織運営を目指し、必要に応じた事業構築を考え、運動、活動を展開する時であると考えます。私たちは時代の狭間に身を置き、時間や作業に追われるが為に、自分のことを優先的に考えてしまう今だからこそ、和心を以て一歩前へ歩みを進めることが大切です。
和心とは「和」という言葉に含まれる「相手を大切にし協力し合う」という意味を捉えて、私たちが改めて他者に対して慮る心や、想いやる気持ち、敬う気持ちを指し示すものとして造った言葉です。一度立ち止まり、冷静になって周りを確りと見渡した上で、自分自身から常に和心を以て物事に対峙し、人と接して参りましょう。私たち一人ひとりが和心を以て行動することにより、周囲へとその想いが伝播し、結果として互いに思い合える関係へと変化します。私たちが和心を以て、運動、活動を展開すればその想いは大きな輪として市民へと拡がり、やがて大きな力となります。そして私たちの基軸として根付くでしょう。互いに和心を以て一歩前へ歩みを進めることが、明るい豊かな京都の実現に繋がると信じ、力を合わせ邁進して参りましょう。

<新たな行動指針策定に向けて>

 2011年度に発信された「4 THE SHINING KYOTO」は2020年度に9年目を迎え、これまでの運動を検証し、総括するべき年となりました。私たちがこれまで歩んできた道を確りと見直した上で検証を行い、総括をすることは、新たな時代に向けた新行動指針策定に欠かせないものとなることでしょう。そして、新しい時代へ私たちが残すべき途を新たな行動指針として策定をし、未来へ渡さなければなりません。

<徹底した会員拡大の推進と和心を纏う会員の資質向上>

会員が減少の一途をたどり、既に29年の月日が流れています。私たちの組織が今後、未来永劫存続していく為には会員の増加は必須事項であり、これまでも大きな課題としてきました。今日に至るまで減少の一途をたどってきたことは時  代の流れや経済情勢、社会情勢の変化に伴う民間企業の業態変化や、給与体系の変化、税制度の変化等、様々な要因が考えられると思います。しかし、私たちはそれらの外部的な要因を言い訳にして目を背け、見過ごせる状況ではないことを知らなければなりません。
しかしながら、会員拡大と一言に言っても、簡単なことではないことを過去の経験から皆が知っています。これまでに実施してきた拡大の手法を見直し、入会対象者に私たちが感じているメリットをどう伝えるのかを、新たな手法を用いて考える時がきています。今だからこそ上下役職の隔てなく、魅力を語り合える場所を創出し、入会対象者が見て、聞いて、感じることのできる機会となるよう一丸となり積極的に取り組んで参りましょう。
個々の資質向上は青年会議所会員である私たちの義務といっても過言ではありません。そして、どういう方向で資質向上を目指すかにより中身は変わってくるのではないでしょうか。京都青年会議所には68年間の歴史から生まれた伝統が多く存在しています。それらは私たちの活動の基礎として存在し続けてきました。私たちは明るい豊かな社会の実現を目指し集う団体であると同時に、他に類を見ない修練と鍛錬を積み、互いに和心を以て切磋琢磨し、その中で友情を育める組織であり、他団体では考えられない資質を兼ね備えることのできる組織でもあります。今一度私たちが大切にすべき伝統や減り張りを確りと見つめ直し、京都青年会議所の基礎として据えなければなりません。その為に緊張感を以て参画できる機会を創出し、私たち自身が礼儀、礼節、減り張りを改めて考え、身につける例会の開催をして参りましょう。そして、相手に対して常に和心を以て接し、無意識に和心を纏う資質向上を目指して参りましょう。また、メンバーの為の例会という性質を存分に活用した交流の機会を創出して参りましょう。更には、それぞれの発想力を発揮し、皆が自発的に取り組める事業とすることにより、それぞれのモチベーションアップに繋げて参りましょう。
新たに京都青年会議所の門を叩いた入会予定者に対し、京都青年会議所の歴史と伝統、京都青年会議所のルールとマナーを学び、身に着けるとともに、正会員として和心を以て責任と自覚を携え、入会後に即戦力のメンバーとなるよう、フレッシャートレーニングセミナーを実施して参りましょう。

<4 THE SHINING KYOTOに基づいたひとづくり・まちづくり及びこれまでの事業検証並びに総括>

 2010年代行動指針の最終年度となる本年度は、これまでに行ってきた運動の検証を行うとともに、集大成となるひとづくり・まちづくり事業を構築しなければなりません。その為には、これまで個々の事業として開催をしてきた多くの事業を統合し、一事業としての開催を目指します。行政や、各諸団体、地域企業、大学生と連携し、より多くの市民に京都のまちの未来を考えていただく機会とするとともに、私たちの活動実績や、想いを知っていただき、新たな時代に向けた京都青年会議所の更なるブランディングとなる機会として参りましょう。
本年度は2月に京都市長選挙が予定されています。私たちはこれまでに多くの政治選挙に対する投票率向上に繋がる事業を実施して参りました。京都市長選挙においても候補者の具体的な施策や未来ビジョンを、市民の皆様に届ける機会を創出する為に、公開討論会の実施を致します。公開討論会は開かれた場所で実施をすることも視野に入れ、多くの市民の耳に触れるようにするとともに、選挙に興味を持っていない人にも選挙の大切さを伝える機会の創出に繋げて参りましょう。
京都JC文化少年団への協力では、子どもたちに京都の新たなものを取り込み吸収し、革新し続けることのできる文化を中心に学び、京都が長く栄えてきた要因について知ってもらうことで郷土愛を感じていただきます。また、事業を通して団体行動や年代の違う子どもたち同士が和心を知り、助け合う公徳心と、隣人愛を育めるよう取り組んで参りましょう
わんぱく相撲京都大会の開催では、子どもたちが相撲を通して和心を養う機会となるよう取り組んで参りましょう。また、わんぱく相撲全国大会への参加では京都を代表して参加することの意義や、全国から集う強者たちと対峙することで、子どもたちが新たな自分を発見し成長できる機会として参りましょう。
60周年記念事業としてスタートした大船鉾復活事業も、2014年に巡行へと復活を果たされ7年が経ち、それと時を同じくして祇園祭としても先祭、後祭の形に戻りました。私たちの先輩方が大きな夢を持ち、勇気を以て果敢に挑戦された結果として、現在の私たちに大きな誇りをもたらしてくれている大船鉾の巡行には、本年度も積極的に参加して参りましょう。
1966年より先輩方が脈々と受け継がれてこられた時代祭の行列への参加は、私たちの誇りと伝統を感じる事業です。本年度も協力できることへの喜びを胸に、先輩方への感謝を忘れず、和心を以て京都に根付いた伝統行事に確りと参加して参りましょう。
「愛の献血運動」では、この社会においてなぜ献血が必要とされているのかを市民と考える機会の創出をするとともに、身近な社会貢献活動として、和心を育めるよう取り組んで参りましょう。
私たちの運動、活動を広く周知し、理解してもらう為の広報活動は、市民や行政、他団体の方々が見られて、どう感じるのかを確りと考えた上で計画を立て発信することが必要です。発信方法はSNSやホームページ等、これまでに利用してきたツールと合わせ、新たなツールを利用することも視野にいれるとともに、JCニュースを発刊することで、市民や行政、他団体への発信に繋がる広報活動を展開して参りましょう。

<JCI・日本JC・近畿地区(協)・京都ブロック(協)への協力並びに出向者支援>

 本年度もJCI・日本JC・近畿地区(協)・京都ブロック(協) へ多くのメンバーに出向していただきます。出向は、京都青年会議所内の活動だけでは知りえない人々との出会いや、そこでしか感じることのできない事業構築、活動展開のスピード感やスケール感を肌で感じ、そこへ参加、参画することで、多くの気づきや学びを得られる大変貴重な機会であります。これまでにも京都青年会議所は、多くの出向者を輩出して参りました。そして、そこで成長を遂げた出向者が、多くの気づきや学びを京都青年会議所へ持ち帰り、他のメンバーに伝播することで、組織としての重みが増していることこそが、今の京都青年会議所の強みの一つとなっています。他国の方や、他LOMの方々とは文化や価値観、考え方の相違が多々あるかもしれません。しかし、和心を以て覚悟と勇気を携え一歩前に進むことで、それぞれの学びがより深いものになると考えます。京都青年会議所を代表して出向するメンバーを支援する為にも、残るメンバーは出向者の戻れる場所を創り、和心を以て温かく迎えてあげましょう。そして、出向者の励みとなるよう、事業には多くのメンバーで積極的な参加、参画をして参りましょう。
京都会議への協力では、全国各地より入洛される日本青年会議所役員を始め、各地会員会議所メンバーの皆様をおもてなしの心と、和心を以てお出迎えをし、確りと下支えをするとともに、京都青年会議所メンバー全員にとって、貴重な気づきや学びとなる機会として参りましょう。そして、日本青年会議所の運動のスタートが素晴らしいものとなるとともに、入洛されるすべての皆様にとって、京都での滞在が有意義なものとなり、京都の魅力を感じていただける機会となるよう協力をして参りましょう。
JCI・日本JC・近畿地区(協)・京都ブロック(協)が展開する運動は、私たちの住み暮らす京都の魅力を発信する絶好の機会です。各種大会においては積極的に参加、参画をし、京都の魅力を発信することができる機会として参りましょう。また、姉妹JCとも各種大会を通して、和心を以て積極的な交流や情報交換を図り、国家を超えた友情を育み、相互理解に繋がる機会として参りましょう。

<公益社団法人の運営>

 市民や行政に信頼される公益社団法人の運営についてはこれまで確りとした予算組をし、専門家の知識から助言をいただきながら今日まで8年間続けてこられました。公益性を持った事業がどう展開されるべきなのか、そして、公益性を持たない事業の在り方も含め、確りと見極めながら進めていかなければなりません。その上で、SDGsに関連付けた事業構築も視野に入れ、運動、活動を展開して参りましょう。

<最後に>

今一度考えてみてください。私たちが普段言葉にする他者への思いやりや、敬意、配慮とはどの程度できているのでしょうか。

京都青年会議所は明るい豊かな社会の実現を目指し集う団体であると同時に、他に類を見ない修練と鍛錬を積み、互いに和心を以て切磋琢磨し、その中で友情を育める素晴らしい組織であります。その中で一番大切なことは和心、すなわち相手を慮る心です。普段当たり前に思っていることを、今一度意識して実践し、自らの基軸として改めて固めてみましょう。

市民とまちに必要とされる為に、私たちの組織を、この関係を、共に、今一度確りと構築して参りましょう。

「当たり前のことが、当たり前にできてこそ、基礎となり、基軸ができ、強くなる。」

和心を以て覚悟と勇気を携え一歩前へ
あなたのその一歩が未来への途を創り拡げる。

~Epilogue~
~走りの基礎は歩行から~

高校の新入生だった私は陸上部の顧問からこう告げられた後、
2週間に渡り毎日一本の白線の上をひたすら歩き続ける練習を課せられた。

~きちんと歩けない者は、早く走れない~

その歩行練習はただ歩くだけではない。 足裏のかかとが地面に接地し、母指球から地面をけりだし、 反対の一歩を出すまでの一連の体重移動を どのようにすべきなのか頭の中でイメージをしながら歩く。

それまでただ歩き、
ただ走っていた私は歩行練習を始めて1日で筋肉痛となり、
今まで自分の足の使い方もわからずに走っていたことに驚かされた。

それからしばらくひたすらに歩き続けた。
ただ、ただ、白線の上をひたすらに・・・・

しかし、何でもないように思えるこの歩行練習こそ、
私にとっての陸上競技の基礎となり、私の原点ともいえる出来事となった。

何事も基礎を確りと固める。
このことが今の私に不変のものとなり、
すべての物事の芯となっている。

そして、いかに基礎が大切であるかを
身を以て体感したこの経験は、私のかけがえのない財産となった。

「何かを変えようとした時、基礎ができていれば
目指すべき道へ進むことができる
目指すべき道に進めれば、何かを変える意味が生まれる
何かを変える意味はその先の未来へ続く途へと繋がるだろう」

ページトップへ